2017/10/13

テニス部女子


最後まで絶対に諦めなかった!一部昇格への挑戦、その夢の行方は

◆平成29年度関東大学テニスリーグ 入替戦◆
10月8日 明治大学西調布合宿所テニスコート
 そこにいる誰もが、最後まで勝利を信じ続けた。2部での激戦を戦い抜き、2位で掴み取った一部入替戦への切符。1年間ひたすらに努力を続けてきた部員たちが求める結果は、「1部昇格」ただ一つだ。戦力となっていた昨年の4年生の代が欠け、下入れ替えさえも危ぶまれていた今年。全部員が持てる力をすべて出し切り、やっとここまでやってくることができた。悲願の昇格まであと一勝。彼女たちの夢への挑戦が始まった。

女子の関東リーグ戦は、ダブルス2本、シングルス5本の計7本を競い、勝った試合数が多い大学の勝利となる。入替戦で対峙するは、1部5位の明大。インカレ資格を持つ選手が多く、紛れもなく格上だ。しかし、立大にも勝機はある。鍵を握るのはダブルス。実力が如実に表れるシングルスとは違い、ダブルスは下剋上も珍しくない。2本とも勝ち切ることができれば、一部昇格の可能性は格段に高まる。
立大から出場しているペアはこの2組だ。今年度のインカレでベスト8にも入った実力者ペアである髙橋(法3)・村橋(文2)。絶妙な連帯感と強気なプレーが魅力であり、圧倒的な強さを見せつけてきた。もう1組は主将浅山(社4)・三井(文3)ペア。足をひたすらに動かし、どんなボールも取ってみせる。そんな粘りのプレースタイルが特徴だ。

抜群のコンビネーションで
相手を寄せ付けなかった髙橋・村橋ペア
この日も彼女たちは強かった。髙橋・村橋ペアは第1セットから実力をいかんなく発揮する。村橋が鋭いストロークでゲームの主導権を掴み、髙橋が変化球を駆使して相手を翻弄。得意のパターンで、相手の追随を許さない。6-2、6-4セットカウント2-0で快勝した。エースコンビは大一番で、価値ある一勝をチームにもたらした。
一方の浅山・三井ペアの試合は、最後までどちらが勝つか予想できない大接戦となった。第1セットは6-6までもつれスーパータイブレイクに入るも、終始立大ペースで7本を先取。第1セットを奪い去った。
続く第2セットも白熱の試合展開。三井の切れ味の良いサーブ、浅山の相手を裏切るボレーなど、スーパープレーが随所に見られる。しかし、なかなか差をつけられない。一進一退のシーソーゲームは、またもスーパータイブレイクに突入した。浅山も三井も、懸命に走り続ける。コート際のボールも、相手が力任せに打ったスマッシュも、勝ちたい一心で拾う。しかし、段々と鋭い打球に追いつけなくなり、第2セットを落とす。第3セットは勢いに乗った相手のペースを崩せず、セットカウント1-2で敗北を喫した。ダブルス2本奪取を目の前にしていただけに、痛い敗戦だった。

ダブルスを1本ずつ取り合った状態で試合を折り返す。続くシングルスには、ダブルスに出場している4人に加え、リーグ戦唯一の1年生選手である倉島(観1)が出場。部内試合を勝ち抜き、リーグ戦への出場権を獲得した期待のルーキーだ。
ポイントゲッターはやはりこの2人だ。髙橋、村橋の攻めの姿勢はシングルスでも健在。リーグ全戦を通して安定して勝ち星を供給してきた両エースは、入替戦でも敵を圧倒し、見事勝ち切って見せた。倉島、三井は、どちらも格上相手に苦戦を強いられる。力戦奮闘するも、あと一歩が及ばず、惜しくも敗れる。この時点でダブルス1-1、シングルス2-2の計3-3。残るシングルスは、1本。
最後まで、主将・浅山の瞳から
闘志が消えることはなかった

偶然か、はたまた必然か。くしくも一部昇格は、主将の手に託された。泣いても笑っても、これで最後。浅山のシングルスの勝敗の行方が、来年立大が戦う舞台を決める。
苦しい立ち上がりだった。第1セットは1-6と、明大のパワーみなぎるショットに成す術がない。このまま敵のペースに飲み込まれてしまうのか。
こんなところで終わってたまるか。浅山は意地を見せる。第2セットはギリギリのところで食い下がり、この日彼女としては3度目となるスーパータイブレイクに入った。戦いを終えた仲間たちが、祈るように試合を見つめる。声を枯らし、精一杯鼓舞する。その熱が、思いが、主将の足を動かす。気迫のプレーで7本目を奪取し、首の皮一枚で望みをつなぐ。
挑んだファイナルセット。終始明大の攻撃的なショットに圧倒され、歯が立たない。しかし、どんなに劣勢に立たされようと、最後までその目から闘志が絶えることはなかった。共に戦ってきたチームメイトの、懇願するような応援がこだまする。突き動かされるように、浅山は必死でボールを拾い続けた。腿を叩き、疲弊した体を奮い立たせる。その時、誰一人として一部昇格を諦める者はいなかった。
しかし勝利の女神は非情だった。相手のマッチポイント。明大が放ったストロークがコート上で2度跳ねる。瞬間、浅山は天を仰ぎ、あふれる涙を隠すように目元をぬぐった。凛とした表情で敵と握手を交わし、礼をする。そこには、最後まで主将らしく振舞う彼女の姿があった。死闘を繰り広げたキャプテンに、会場から惜しみない拍手が送られた。

全員が力を出し切った結果は、「2部残留」。浅山は記者にこう語った。「悔しい気持ちはすごくあるし、まだまだやり切れたっていう気持ちはあるんですけど、あとは後輩に託すしかないので。次は自分たちがサポートしていく番だと思ってます」。現役部員だけでなく、OG、コーチ、保護者が一丸となって強くなってきたチームだ。1人ではできないことも、皆で可能にしてきた。この絆を武器に、来年こそは。力強く語る主将の瞳を見て、そう確信した。

(10月11日・森下友紀子)

◆コメント◆
・今試合で引退となる4年部員
ー北島(コ4)
「一番は、去年と全く同じ負け方をしてしまって悔しいっていう気持ちがあるんですけど、今までやってきたことを振り返ってみたら、ここに、この立教のテニス部に入ってよかったなっていう気持ちがあって、この新体制になってから、チームのこととか考えてきたんですけど、後輩の力とかすごく大きくて、その分後輩の力がパワーになって自分たちの原動力になってたし、そう考えるとこうやって本気になれる環境ってすごい当たり前じゃないし、そこに来られて本当に良かったなって思います」

ー吉川(文4)
「四年間振り返っても今日を振り返っても、自分のことだったりとか今日の試合だったりとか、悔しい思いがすごい大きくて、それはあるけど、この部活でこの後輩と同期とやってこれて良かったなって思ってます。3年生が今年は戦力として頑張ってくれていたので、来年は3年生を中心に頑張って昇格してほしいなと思っています」

ー高柳(営4)
「正直引退したっていう実感があまりなくて、言葉にできないんですけど、少し戦い終えてから思うと、すごく大学四年間幸せ者だったなと思います。なんでかというと、帰ってこれる場所があったりとか、がむしゃらに頑張ってこれる仲間がいるっていうのは、本当にかけがえのない一生の宝物だったなって思います。でもどんだけやってもまだまだ公開が残ったりとか、悔いがあるって思うんですけど、その残し方を後輩に伝えていったりとか、成長につなげていくっていうのが大事だと思うので、この気持ちを忘れずに頑張っていきたいなと思いました」

ー主務として部を支えた中西(現4)
「長いようで短かった四年間の中で、かけがえのない仲間と昇格に向かって進んでこれたことに感謝しかないなって思ってます。この四年間の中で出会った人とかのおかげで私自身も成長できた点がすごく大きくて、テニス部は愛にあふれる部活で、成長できる場だったなって思います。今は昇格できなくて、本当に心から悔しいんですけど、その思いというのは、代々続いて、後輩が受け継いでくれるので、それを信じて、来年からはそれをしっかりサポートしていきたいなと思います」

ー主将としてチームをまとめてきた浅山(社4)
「この大学四年間、テニス部を選んですごく良かったなと思いました。それは、同じ目標に向かって頑張ったり自分の居場所があったりして、それをすごく他の部活ではできなかったことだと思うし、すごく幸せだったと思います。で、1部昇格は果たせなくて、悔しい気持ちはすごくあるし、まだまだやり切れたっていう気持ちはあるんですけど、仕方なかった。いや、全然仕方なくはないんですけど、あとは後輩に託すしかできないので、次は自分たちがサポートしていく番だと思ってます」

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