2018/05/08
ヨット部
<記者コラム>春インカレ関東予選に密着 〜ヨット部を支えるたてつな・よこつな〜
◆平成30年度関東学生ヨット春季選手権大会予選◆
5月5日 神奈川県森戸海岸沖
◆平成30年度関東学生ヨット春季選手権大会予選◆
5月5日 神奈川県森戸海岸沖
春インカレ関東予選の戦評はこちら
 珍しく1回目のアラームで目が覚めた。時刻は明朝の5時。普段の取材には不向きなサンダルを履き、リュックにカメラを詰め込む。向かった先は神奈川県の海辺、森戸海岸。この日の取材先は春インカレ関東予選に臨むヨット部だ。そこで見えたのはOBOGが現役部員を手厚くサポートする「縦のつながり」、アットホームな雰囲気で支え合う「横のつながり」ーー”たてつな”と”よこつな”だった。
現役部員を見守る”たてつな”
 朝8時。集合場所の森戸海岸で待つ。1人の部員が「立教スポーツさんですか?」と声をかけてきた。2年の学年リーダー・太田(社2)だ。彼に連れられて船着場の葉山新港へ向かう。
「いい天気だなあ!ヨット日和だ!」
葉山新港で気さくに選手と会話を始めたのは、伊勢OB(17年度卒)だ。彼だけではない。ぞろぞろとクルーザーの近くに数多くのOBが集まり始めた。ヨット部の試合には多くのOBOGが休日返上で応援に駆けつける。この日も数にして8人のOBが自前のクルーザーに乗った。
「ヨットは経験がものを言うな。今俺が操縦しても多分下級生になら勝てるよ!」
確かに、と思った。現役部員と年齢は離れていても、皆身のこなしは軽い。大きく揺れる船の上でもどっしりと構え、慣れた手つきで操縦桿を回す。クルーザーとヨットとでは勝手が大きく違うといえど、まだまだ体は現役部員ばりだ。
 だからこそ、目線が対等なのだろうか。現役部員を見守るOBたちはまるで休日の父親・兄貴のように選手たちと接し、活動の援助をする。クルーザーの上で伊勢OBから太田へ熱くヨット論を話す場面もあった。豊富な知識と経験を雑談の中で現役部員に落とし込んでいく。ヨット部の“たてつな”の強さは体育会随一だ。
共同生活で育まれる”よこつな”
試合後にインタビューをさせて頂くために、合宿所にお邪魔した。ヨット部は休日を合宿所で寝泊まりし、昼夜ヨット漬けの日々を送る。炊事はマネジャーが担当。この日は30人分もの夕食をあっという間に作った。
「良かったらご飯食べていきますか?大歓迎ですよ!」と高橋マネジャー(法4)。
言葉に甘えて、ありがたく頂いた。決して広くはない食堂で肩を寄せ合って夕食を口にする。部員同士変に気取らず、立ち振る舞いは皆「素」だ。同じ釜の飯を食ってきたからこそ、この空気が生まれるのだろうか。同席している記者に対しても同じ部員かのように接する。アットホームとはこういうことかーー居心地の良さを肌で感じた。
OBOGを重んじ、仲間と深く関わり合うヨット部だからこそ生み出せる確固たる“たてつな”と“よこつな”。いい部活だと純粋に思った。私は日焼けで真っ赤になった肌にも懲りず、次に取材に行けるのはいつかな、と帰りのバスに揺られながら手帳を開いていた。
5月12・13日 森戸海岸沖
関東学生ヨット春季選手権大会 決勝
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 珍しく1回目のアラームで目が覚めた。時刻は明朝の5時。普段の取材には不向きなサンダルを履き、リュックにカメラを詰め込む。向かった先は神奈川県の海辺、森戸海岸。この日の取材先は春インカレ関東予選に臨むヨット部だ。そこで見えたのはOBOGが現役部員を手厚くサポートする「縦のつながり」、アットホームな雰囲気で支え合う「横のつながり」ーー”たてつな”と”よこつな”だった。
現役部員を見守る”たてつな”
 朝8時。集合場所の森戸海岸で待つ。1人の部員が「立教スポーツさんですか?」と声をかけてきた。2年の学年リーダー・太田(社2)だ。彼に連れられて船着場の葉山新港へ向かう。
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準備をする470級クルーの関(営3) |
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レース前のスナイプ級柴崎(文4=写真左)・若泉(観3)ペア |
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船着場の葉山新港 |
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記者の対応をしてくださったスナイプ級太田(社2=写真左)と齋藤(現2) |
「いい天気だなあ!ヨット日和だ!」
葉山新港で気さくに選手と会話を始めたのは、伊勢OB(17年度卒)だ。彼だけではない。ぞろぞろとクルーザーの近くに数多くのOBが集まり始めた。ヨット部の試合には多くのOBOGが休日返上で応援に駆けつける。この日も数にして8人のOBが自前のクルーザーに乗った。
「ヨットは経験がものを言うな。今俺が操縦しても多分下級生になら勝てるよ!」
確かに、と思った。現役部員と年齢は離れていても、皆身のこなしは軽い。大きく揺れる船の上でもどっしりと構え、慣れた手つきで操縦桿を回す。クルーザーとヨットとでは勝手が大きく違うといえど、まだまだ体は現役部員ばりだ。
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今回我々が乗船させていただいたクルーザー。 買って1年足らずの新品だという |
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OBたちは慣れた手つきで船を操る |
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選手と兄弟のように接する伊勢OB(17年度卒) |
 だからこそ、目線が対等なのだろうか。現役部員を見守るOBたちはまるで休日の父親・兄貴のように選手たちと接し、活動の援助をする。クルーザーの上で伊勢OBから太田へ熱くヨット論を話す場面もあった。豊富な知識と経験を雑談の中で現役部員に落とし込んでいく。ヨット部の“たてつな”の強さは体育会随一だ。
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レスキュー艇も現役部員で管理。トラブルに備えて待機する |
共同生活で育まれる”よこつな”
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合宿所に帰るとすぐにスコアを記録。 写真は江井マネジャー(法3) |
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笑い声が聞こえる横で仕事をこなすマネジャーたち。 彼女たちの支えは”縁の下”に留まらない |
試合後にインタビューをさせて頂くために、合宿所にお邪魔した。ヨット部は休日を合宿所で寝泊まりし、昼夜ヨット漬けの日々を送る。炊事はマネジャーが担当。この日は30人分もの夕食をあっという間に作った。
「良かったらご飯食べていきますか?大歓迎ですよ!」と高橋マネジャー(法4)。
言葉に甘えて、ありがたく頂いた。決して広くはない食堂で肩を寄せ合って夕食を口にする。部員同士変に気取らず、立ち振る舞いは皆「素」だ。同じ釜の飯を食ってきたからこそ、この空気が生まれるのだろうか。同席している記者に対しても同じ部員かのように接する。アットホームとはこういうことかーー居心地の良さを肌で感じた。
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ハードな1日を終えたヨット部員はあっという間に ご飯を平らげ、山盛りでお代わりを盛る |
OBOGを重んじ、仲間と深く関わり合うヨット部だからこそ生み出せる確固たる“たてつな”と“よこつな”。いい部活だと純粋に思った。私は日焼けで真っ赤になった肌にも懲りず、次に取材に行けるのはいつかな、と帰りのバスに揺られながら手帳を開いていた。
(5月8日・小西修平)
「立教スポーツ」編集部ヨット部担当の連絡口となってくださっている柴崎主務、毎回準備をしてくださるマネジャーさん方を初めとした関係者の方に厚く御礼を申し上げます。